外装塗装に必要なケレンについて詳しく解説しました(^▽^)/
家の塗装に必要なケレンとは? おろそかにしてはいけない理由
家の塗装を行ううえで欠かせない作業である「ケレン」を知っていますか?
ケレンとは建設・建設業界で使われている専門用語で、家の塗装部分の劣化やさびを研磨して除去する作業のことですが、実はこのひと手間がとても重要になります。
そこで今回は、家の塗装におけるケレンの役割と重要性を解説します。
ケレンとは?
ケレンとは外壁塗装の際非常に重要になる下地処理の一つで、鉄部や木部などの塗装面についた古い塗膜やサビを除去する作業のことを言います。
ディスクサンダーなどの電気工具でケレンをおこなったり、やすりやワイプブラシなどを使い手作業でケレンをします。
また、古い塗膜やさびの除去以外にも、塗料が密着しやすくするために、塗面をわざと傷つける目荒らしをケレンと呼ぶこともあります。
ケレン作業をする理由
下地を整える
外壁にサビや汚れがあると、上から塗装してもうまく密着せずすぐに剥がれてしまうので、ケレン作業で削ぎ落して下地を整えます。
ケレン作業をしてサビや汚れを除去し、下地を整えることで外壁塗装もきれいに仕上がります。
塗料の耐用年数を維持し住宅を守るために、ケレン作業は外壁塗装において重要な作業の一つです。
塗料の密着度を上げる
ケレン作業をして外壁をデコボコとした表面にすることで、塗料の密着度が上がり外壁塗装をきれいに仕上げることができます。
表面がつるつるした状態だと、塗った塗料がすぐに剥がれてしまいます。
しかし、ケレン作業で外壁を研磨することで、塗料の密着性が高い表面になります。
ケレン作業の種類
ケレン作業には、1~4種までの4種類の作業方法があり、それぞれに作業方法の違いや特徴があります。
今回はそれについて詳しく解説していきます。
1種ケレン:ブラスト法を用いてさびや旧塗膜を徹底除去
細かい砂や金属片などを使った研磨剤を高い圧力で打ち付けて表面を磨きます。
4種類の中で最もケレンの効果が優れていて、さびや旧塗膜を完全に除去して鋼材面を露出させます。
とても大掛かりな作業になるので、道路橋など大きな構造物に対してのみ行われます。
徹底したさびや汚れが落ちるので防食効果は抜群ですが、粉塵が飛び散ったり、騒音が大きいなど周辺への影響が大きいのが難点です。
作業を行うときは足場の養生をしっかりと施し、作業者への防護も必要になります。
2種ケレン:ディスクサンダーなどの動力工具を用いる素地調整
さびが発生している面積が30%以上とさびの状況が深刻な場合に、この2種ケレンを用いてさびや旧塗膜を除去して鋼材面を露出させます。
職人の手作業ですべて行う2種ケレンは、橋梁など大規模な構造物の場合において、鋼材面の面積も広く作業に時間がかかり費用も高くなるので実用的ではないとされています。
3種ケレン:活膜を残し、死膜は除去する
1種、2種はさびや汚れだけではなく旧塗膜をすべて取り除くことが前提ですが、3種は旧塗膜のうちしっかり密着しているものを「活膜」として残し、さびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜のみを除去します。
さびが発生している面やひび割れ膨れたりしている旧塗膜の面がどれくらいの割合であるのかさび面積・塗膜異常面積で3種A、B、Cの3段階に分けて考えます。作業自体は2種と同様に動力工具や手工具を使ってさびや汚れを除去します。
ちなみにひび割れたり膨れたりしている状態の旧塗膜は、「死膜」などと呼ばれています。
【3種Aケレン】さびが発生している面積 15~30%,塗膜異常面積 30%異常
【3種Bケレン】さびが発生している面積 5~15%,塗膜異常面積 15~30%異常
【3種Cケレン】さびが発生している面積 5%,塗膜異常面積 5~15%異常
3種ケレンはケレン面積に応じてA、B、Cの3つのランクに分かれますが、ケレン作業自体は同一となります。
4種ケレン:軽く目荒らしする清掃ケレン
活膜は基本的に残し、それ以外のさびが発生している面やひび割れたり膨れたりしている旧塗膜を除去します。
全体的にダメージが少なく、さびも特に見当たらず、異常をきたしている塗付面が5%以下のケースで、汚れを落とし、軽く目荒らしすることが主となります。目荒らしとは、塗膜の食いつきをよくするために表面に凸凹をつけることで、作業自体は2種、3種と同様に動力工具や手工具を使用して行います。
ケレン作業を依頼する際の注意点
ケレン作業を依頼する際の注意点には、主に以下の2つがあります。
・工事内容にケレン作業が含まれているか
・見積書を確認する
それぞれどのような点に注意すべきかを具体的に解説していきます。
工事内容にケレン作業が含まれているか
業者に外壁塗装を依頼した際に、工事内容にケレン作業が含まれているか確認しましょう。
ケレン作業は外壁塗装の耐用年数を保つためにも、また住宅劣化を防ぐためにも大切な工程です。
そのため、外壁塗装を依頼した際に工事内容にケレン作業が含まれていない場合、手抜き工事をされてしまう危険があるため要注意です。
また、ケレン作業が工事内容にない場合も注意が必要です。
ケレン作業の有無を業者に確認し、曖昧な返事をされたり必要ないと言われたりする場合には悪徳業者の可能性があるため依頼は避けたほうがいいでしょう。
見積書を確認する
業者に工事の見積りを依頼した際、見積書の内容をよく確認しましょう。
ケレン作業の何種をするのか、費用は妥当かを他社と比べてみることも大事です。
ケレン作業をしっかりと行う優良業者を選ぶためのポイント
ケレン作業は外壁塗装の耐用年数を保つためにも大切な工程なので、優良業者に依頼するための、2つのポイントがあります。
・相見積りをする
・資格を持っている業者を選ぶ
ことがポイントです。
では、それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。
相見積りする
相見積りとは、同じ工事内容の見積りを複数の業者に依頼することです。
複数の業者を比較することで、よりよい業者を選ぶことができます。
見積書には工事内容や費用などが記載されているので、詐欺や手抜き工事を見抜けます。
相見積りは業者を比較するためにも、少なくとも3社に依頼することをおすすめします。
資格を持っている業者を選ぶ
外壁塗装業者は免許や資格がなくても開業できるため、資格を持っている企業はスキルアップに努めている優良業者と言えます。
塗装業者が持っていると安心できる資格は、主に以下の3つです。
・塗装技能士
・外装劣化診断士
・足場の組み立て等作業主任者
塗装技能士とは、高い塗装技術を持っていることを証明できる資格です。
受験資格には一定以上の実務経験が必要となるため、塗装技能者の資格保持者は塗装に関する知識や技術が高いと言えます。
外装劣化診断士とは、屋根や外壁の劣化状態を診断し、適切な修理アドバイスをできる証明となります。
足場の組み立て等作業主任者とは、外壁塗装などの際に足場を設置するために必要な知識を持つと証明できる資格です。
作業員が安全に作業でき、事故が起こらないよう指導するための資格です。
外壁塗装の耐用年数を長くするためにはケレンが必須!
外装塗装の際、外壁にそのまま塗料を塗るのでなく、ケレン作業というひと手間を加えることで塗料の耐用年数を長くできます。
また、塗料がすぐに剥がれてしまうことによって起こる住宅劣化なども防ぐことができ、ケレン作業は外装塗装に欠かせない作業です。
大切な住宅を守るためにも、外壁塗装を業者に依頼する際は、しっかりとしたケレン作業を行う優良業者を選ぶようにしましょう。