新築やリフォームの際に役立てたい、屋根の種類・屋根材
屋根の形状・屋根材の種類
これからマイホームを建てられる方や、屋根のリフォームをお考えの方は、屋根の形状でも悩まれますよね。
屋根の形状にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。
ご自宅の立地や状態に合わせて決めるのがおすすめですが、種類ごとのメリットやデメリットがわからないと決めるのが難しいですよね。
そこで今回は、屋根12種類の形状とそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
12種類の形状と特徴
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切妻(きりづま)屋根
切妻(きりづま)屋根は、本を開いて逆さまにしたようないわゆる三角屋根で、日本でも人気の形状です。
単純な造りのため、コストが安く雨漏りのリスクも少ないです。
ただし妻側(△の部分)は紫外線に当たりやすく劣化しやすくなっています。
メリット
・コストが安い
・水はけがよく雨漏りのリスクが少ない
・屋根裏のスペースを広く確保することができるので換気性が良い
・屋根面積が広く、ソーラーパネルを置きやすい。
デメリット
・「妻」や「破風板」が劣化しやすい
・デザインが一般的なので個性を出しにくい
こんな人におすすめ
・費用をおさえたい方
・豪雪地帯にお住まいの方
・ソーラーパネルの設置をしたい方
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寄棟(よせむね)屋根
寄棟(よせむね)屋根も、切妻屋根同様、使用されることが多いです。
頂点に棟(むね)があり、さらに四方に下がる棟があります。全方向に風が当たるため耐風性が高く外壁への負担も少ない屋根といえます。
メリット
・耐風性が高い
・落ち着きのある外観になる
・全方向の外壁を雨や紫外線から守ることができる
デメリット
・屋根のスペースが狭くなりやすく、換気が必要
・コストが高い
・屋根の面一つ一つが狭くソーラーパネルが置けない場合がある
・棟が多いため雨漏りのリスクがある
こんな人におすすめ
・台風や強風の被害に遭いやすい地域にお住まいの方
・落ち着いた見た目にしたい方
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片流れ(かたながれ)屋根
片流れ(かたながれ)屋根は、一方だけに傾斜がある屋根のことです。
スタイリッシュなデザインで、近年の増加傾向にあります。
面が大きくソーラーパネルを設置するのに向いています。
ですが、風には弱いため台風の際には注意が必要です。
メリット
・デザイン性が高いため、個性が出しやすい。
・屋根面積が広くソーラーパネルを設置しやすい。
・コストが安い
・屋根裏のスペースが広い
・高い位置に窓を設置できるので、部屋が明るくなる
デメリット
・耐風性が低い
・雨樋への負担が大きい
こんな人におすすめ
・モダンなデザインの家にしたい方
・ソーラーパネルの設置を考えている方
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陸(りく・ろく)屋根
陸(りく・ろく)屋根は平らな屋根の形状のことを言います。
モダンなデザインになることから一般住宅にも多く採用されています。
ですが、傾斜がなく水はけが悪いので注意が必要です。
メリット
・屋上スペースを有効的に使える
・掃除やメンテナンス作業がしやすい
・モダンな印象に仕上がる
デメリット
・勾配がないので、排水をきちんとしないと水が溜まってしまう
・定期的な防水のメンテナンスが必要
・断熱性が低いため、室温が上がりやすい
・ソーラーパネルの設置をする際、斜めに設置するための架台が必要になるので費用が高くなってしまう
こんな人におすすめ
・モダンなデザインにしたい方
・屋上で家庭菜園をしたい方
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方形(ほうぎょう)屋根
方形(ほうぎょう)屋根は四角錐の形をした屋根です。
寄棟に似ている形で、四方に雨や雪を分散できます。
メリット
・寄棟よりも棟が少ないので、雨漏りのリスクが少ない
・甘えや雪を四方に分散することができる
・四方から外壁を守ることができる
デメリット
・正方形の家でないとできない
・コストが高い
・ソーラーパネルの設置が困難
こんな人におすすめ
・台風が多い地域の方
・家の形が正方形の方
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入母屋(いりもや)屋根
入母屋(いりもや)屋根は和風造りの家に多く、日本瓦と相性がいい形状です。
耐風性や断熱性、通気性が高いのですが、形が複雑なためコストが高いです。
メリット
・耐風性が高い
・断熱性が高い
・通気性が高い
・落ち着きのある雰囲気になる
デメリット
・複雑な構造のためメンテナンス費用が高くなってしまう
・棟から雨漏りするリスクがある
こんな人におすすめ
・和風造りの落ち着いた家にしたい方
・快適な家に住みたい方
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半切妻(はんきりづま)屋根
半切妻(はんきりづま)屋根は、「はかま腰屋根」や「ドイツ屋根」とも呼ばれます。
建築基準法で高さや傾斜制限がある場合、半切妻にして高さを調節することにより室内面積を変えずに建てることができます。
メリット
・室内面積を変えずに建てることができる
・ドイツ風のおしゃれなデザインにすることができる
デメリット
・棟が多いため雨漏りのリスクが高い
こんな人におすすめ
・家が道路に面している方
・家と家が密着した場所に住んでいる方
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差しかけ・招き屋根
差しかけ屋根(または招き屋根)は屋根が段違いになっている形状の屋根です。
屋根と屋根の間に外壁があり、そこに窓を設置することで室内に光を取り入れやすくなります。
メリット
・耐風性が高い
・コストが安い
・断熱性、通気性が高い
・部屋が明るくなる
デメリット
・下側の屋根が雨漏りしやすくなる
こんな人におすすめ
・明るい家にしたい方
・快適に生活したい方
・風の強い地域にお住まいの方
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越(こし)屋根
越(こし)屋根は切妻屋根の上に切妻屋根が乗っている形状の屋根です。
一般的な戸建て住宅に使用されることは少ないですが、断熱性や通気性に優れています。
メリット
・断熱性、通気性が高い
・光が入りやすい
デメリット
・形が複雑なのでコストが高い
・メンテナンスにも技術が必要になる
・つなぎ目が多く雨漏りしやすい
こんな人におすすめ
・快適な家にしたい方
・風格のあるデザインにしたい方
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バタフライ屋根
バタフライ屋根は屋根の端が高く、中央が低くなっている形状の屋根です。
中央がへこんでいるので、雪下ろしの必要がなく「無落雪(むらくせつ)屋根」とも呼ばれます。
見た目も洗練されたモダンなデザインになります。
ただし、中央部分に雨や雪が溜まるので雨漏りのリスクが高くなるためきちんとした排水処理が必要になります。
メリット
・モダンな仕上がりになる
・雪下ろしに手間がかからない
・ソーラーパネルの設置ができる
デメリット
・排水処理をしないと雨漏りする
・雪の重さに耐えられる強度にする必要がある
・コストが高い
こんな人におすすめ
・モダンな仕上がりにしたい方
・豪雪地域にお住まいの方
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錣(しころ)屋根
錣(しころ)屋根とは、寄棟屋根の上に切妻屋根が乗ったような形状の屋根です。
一般的な戸建て住宅に用いられることはほとんどなく、寺院などに多く見られます。
メリット
・厳かな雰囲気を出すことができる
デメリット
・複雑な形のためコストが高く、つなぎ目が多いので雨漏りするリスクが高い
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鋸(のこぎり)屋根
鋸(のこぎり)屋根は広い工場などで用いられることが多い屋根です。
一般的な戸建て住宅でみられることはほとんどないです。
メリット
・光を取り入れやすい
デメリット
・雨漏りのリスクが高い
形状ごとのおすすめ屋根材
屋根の形状ごとのおすすめ屋根材をご紹介します。
屋根の形が決まったらそれに合わせ機能性やデザイン性の高い屋根を選びましょう。
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スレート
セメントと繊維質の素材を混ぜ、加圧して薄い板状にした屋根材で軽量ながら地震に強く、耐火性も高い日本でポピュラーな屋根材です。
初期コストも安いので、現在は7割ほどの戸建て住宅がスレートを使用しています。
見た目がシンプルなのでどんな家のデザインにも合わせやすくなっています。
ですが、スレート自体に防水性はなく、塗料によって防水機能を維持しているため、スレートが劣化する前に塗料によるメンテナンスが必要になります。
なお、本来スレートとは天然の粘板岩の薄板を差すもので、天然スレートはヨーロッパの歴史的建造物のほか、東京丸の内駅の舎にも使用されています。
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和瓦・洋瓦
和瓦・洋瓦は、粘土瓦やセメント瓦などの種類があります。
粘土瓦は粘土を板状に成形し、高温で焼き固めた屋根材で、とても耐久性が高く50~100年持つものもあるので塗装などのリフォームは不要です。
セメント瓦は水を吸うと劣化してしまうので、築7~10年程でメンテナンスが必要になります。
また、ほかの屋根材よりも重量があり地震対策として瓦からほかの屋根材に変える場合もありますが、最近では軽量化した瓦なども流通しています。
瓦類は昔ながらの入母屋屋根や越屋根と相性がよく、落ち着いた雰囲気に仕上がります。
和風にしたい型は和瓦、外国風のおしゃれなデザインにしたい方には洋瓦がおすすめです。
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ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金でメッキされた鋼の薄板です。
薄く軽量で加工しやすく、耐久性に優れています。
金属なので防水性能が高いため、豪雪地域等ではよく使用されています。
見た目はシンプルなのでどんな家にも合わせることができます。
初期コストは少々高いですが、長期的に見ればコスパのいい屋根材と言えるでしょう。
ただし、薄いため雨音が響いてしまったり、断熱性がない等の欠点もあります。
劣化したスレートの屋根材の上からガルバリウム鋼板で覆う「重ね葺き」のリフォームも広く行われています。
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アスファルトシングル
アスファルトシングルはグラスファイバーをアスファルトで固め、表面に細かな石粒を吹きかけたシート状の屋根材で、北米では80%以上のシェアを有しています。
薄く柔軟性があるため加工がしやすく、曲面にも施工できます。
アスファルトは燃えやすく、前の製品は防火地域では使用できませんでしたが、最近は防火性のあり製品も販売されています。
ただし、強風・暴風に弱いので高台にある家や片流れ屋根などの風を受けやすい屋根には向きません。
デザインは洋風なのでおしゃれな仕上がりになります。
まとめ
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
屋根は基本的には住んでいる人も確認できない場所になっていますが、どんな屋根の形状でも、5年に一度は屋根の点検を行うと良いですね。
どんなに耐久性が優れた屋根材を使っていても、一か所不具合があるだけで雨漏りしてしまう危険性もあります。
屋根の種類は多種多様なので、お住まいの地域や環境に合った屋根を選ぶのがおすすめです(^▽^)/
株式会社シマジューでは屋根塗装・屋根修理も承っておりますので是非、下記電話番号、LINE @のほうに気軽にお問い合わせください!
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