漆喰ってなに? 漆喰についてとそのメリット・デメリットについて解説しました(^▽^)/
漆喰は、住まいを心地よくする機能性がたくさんあります。また、塗り方を変えることで異なる表情を楽しめることでも好まれています。
日本の伝統的な家屋の壁にも漆喰は使われてきました。なんとなく聞いたことはあるけれど具体的にどんなものかピンとくる人は少ないと思います。
今回は、漆喰の基礎知識、特徴について説明します。
目次
漆喰について
「塗り壁」と呼ばれるものの中には、漆喰と立ち位置を二分する珪藻土と呼ばれるものもあります。
漆喰と珪藻土の大きな違いは、「自ら固まるか、固まらないか」です。
両者を比較した場合には、珪藻土よりも漆喰のほうが強度に優れています。
また、漆喰のほうが水にも強いので、水回りや外壁にも使用が可能です。一方、珪藻土は水に酔う枠、内壁にしか使用することができません。
漆喰とは
「水酸化カルシウム」を主原料とした塗り壁材で、基本的にはつなぎを加えなくても壁にくっつく性質を持っています。
消石灰(水酸化カルシウム)とは、石灰水を焼いて水を加えたもので、石灰石のルーツはサンゴ礁から来ています。
サンゴの群生したサンゴ礁が長い年月をかけ地殻変動などで隆起し、陸地になったものが石灰鉱脈で、そこから石灰石を採掘します。
この消石灰にのりやスサを加え、水で練ったものを漆喰と言います。
のりやスサは「つなぎ」として使用されており、繊維質のものが使われることが多いです。糊成分や繊維質については、時代や地域によって使われるものは異なっています。
塗り上りは少しざらついています。
漆喰は強アルカリであり、非常に高い殺菌効果が期待できます。
珪藻土とは
珪藻土とは、海の底にたまった藻が長年押し固められてできた珪藻が粉々に砕けたもので、さらさらしているのが特徴です。
珪藻土は自ら壁にくっつく性質がなく、壁に塗り付けるときはつなぎと合わせて使用します。
つなぎの種類によって性質が大きく変わります。
調湿性能が高いため、極端に湿度が高くなったり低くなったりするのを防ぎます。
塗り上りはなめらかな仕上がりです。
漆喰の効果
漆喰を壁や天井に塗ると、抗菌・防カビ・湿度調整・消臭効果といった効果が期待できます。細菌やウイルス、カビに対して抵抗効果を持つことは、シックハウス症候群の対策として、非常に効果的です。
以下では、漆喰の効果について詳しくご説明します。
抗菌作用
漆喰の性質は「pH12以上」という強アルカリ性で、pH12以上の強アルカリ性の環境になると、ほとんどの生物は生存できなくなるため、漆喰は抗菌作用に効果的だとされています。
乾いた漆喰壁の表面は中性化されているので手で触っても安全です。表面に露出していない部分は強アルカリ性の状態をキープしています。
湿度調整
漆喰は「呼吸する壁」と言われています。
湿度の高い場所では余分な水分を吸い取り、逆に湿度が低くなると水分を放出するという、温度調整の機能を持っているためそう言われています。
梅雨時期など湿気の高い状態でもお部屋の中は快適で、カビやダニなどの発生を抑制する効果を期待できます
しかしこれは、カビ菌の発生しにくい空気環境を作り出せるだけで、漆喰自体にカビが生えないわけではありません。
カビは、水分・養分・湿度が揃ってしまうと、どんな場所にでも発生してしまいます。漆喰のカビ発生への対処法としては、室内に湿気をこもらせないことが重要です。
家具や電化製品との壁の間には、なるべく隙間をあけて配置するようにします。また、押し入れもカビが発生しやすいため、定期的に換気したり、スノコを置くなどして対処をしておくことをおすすめします。
消臭効果
臭いの原因とされている物質の多くが酸性物質であるため、強アルカリの性質を残す漆喰壁は消臭しやすくなっています。
中古マンションや築年数が多い住宅などは、長い間に蓄積された生活臭が残っていることがありますが、漆喰の壁であれば、生活臭の臭いの原因となる成分を分解してくれる性能を持っています。
漆喰でウイルスを予防する
漆喰は強アルカリ性であり、その性質から除菌・抗菌効果を発揮します。除菌・抗菌効果は、感染症予防に繋がります。
以下では、漆喰でウイルスを予防することに関してご紹介します。
漆喰がウイルスを分解する
ウイルスは、エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの2種類が存在します。
2020年~2021年にかけて大流行している新型コロナウイルスは、エンベロープウイルスです。エンベロープウイルスには、インフルエンザウイルス・ヒト免疫不全ウイルスなどがあります。
エンベロープは、大部分が脂質でありエタノールや石鹸で死滅させることが可能で、消毒用アルコールが有効であるとされています。
漆喰は水で練った状態で、アルカリ水溶液となります。アルカリ水溶液には、腐食性があり、脂肪を酸化しタンパク質を変性させ、さらに加水分解します。
従って、ヒトにおける病原体を含むエンベロープウイルスを、漆喰が不活性化させるという理論が成り立つのです。
漆喰がウイルスの生存率を下げる
ウイルスは、気温と湿度が高い環境を嫌うため、気温と湿度によって生存率が大きく変わります。例えば加湿器などで湿度を上げ過ぎると、結露などによってカビの発生を誘発してしまいます。
漆喰は、ビニールクロスに比べ、保温効果・調湿効果に優れています。保温効果では、熱伝導率の違いにより、エアコンの温度設定が2~5度変わります。調湿効果では、湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するので、漆喰に囲まれた空間であれば、ウイルスの除去が期待できると同時に、保温することができます。
漆喰を天井と壁に塗ることで、室温を一定に保ち、湿度を調整することが可能です。
漆喰のメリット・デメリット
ここまで紹介した漆喰についてですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここではメリットに加えて、デメリットもご紹介します。
漆喰のメリット
漆喰を使用することの最大のメリットは、優れた調湿効果です。漆喰には細かい穴がたくさん開いており、多孔質な表面で湿気をコントロールすることができます。梅雨などの湿気の高い時期でも、カビやダニの発生を抑制する効果が期待できます。
メンテナンスのコスト
長時間経過してもほとんど見た目の変化がなく、ほこりやゴミなどが付着しないのも特徴です。
ビニールクロスを貼って壁を仕上げる場合と比較して、工期が長く費用も高くなります。しかし、ビニールクロスのように何度も張り替える必要がないので、長期的にみた場合、ビニールクロスよりもコストパフォーマンスに優れていると言えるかもしれません。
メンテナンスしやすい
壁に落書きして汚してしまった場合、落書きした上から薄く漆喰を塗ることできれいにでき、ちょっとした汚れであれば、自宅にある消しゴムを使ってきれいに消すことができます。
ビニールクロスを貼って壁を仕上げる方法に比べて、漆喰はメンテナンスしやすくきれいな状態を維持しやすいと言えます。
耐火性に優れている
漆喰は、耐火性にも優れており、燃えにくい素材であり、不燃材料として建築基準法の中でも認められています。
日本の現代住宅では、ビニールクロスを貼って壁を仕上げることが一般的ですが、ビニールクロスは化学物質で作られており、万が一火事になって燃えてしまった場合に、ビニールクロスから有毒ガスが発生する可能性があります。が、漆喰の場合は自然素材であるため、有毒ガスが発生する確率は極めて低いとされています。
漆喰のデメリット
漆喰のデメリットは、施工にかかる時間が長い、ひび割れの可能性がある、漆喰を塗りたての時は粉が劣る、といった3つのことがあげられます。
施工にかかる時間
漆喰は、ビニールクロスのように接着剤で貼って終わりではなく、余剰・下塗り・仕上げ塗りといった工程が必要であり、時間も手間もかかってしまいます。
ひび割れの可能性
漆喰は、下地の状態や施工環境の影響でひび割れが起こる場合があります。また、地震の振動などでひび割れが生じる場合もあるので注意が必要です。
ひび割れのリスクを最小限に抑えるために、下地処理から仕上げ塗りまでを丁寧に正しい施工手順で行うことが大切になります。
塗りたては粉が落ちる
漆喰を塗りたての時は、表面のざらざら下部分がかなり細く脆弱になっていることがあります。細く脆弱になっている部分は、触るだけで白い粉がボロボロと落ちてしまうことも少なくありません。
乾いていくに従い、固くなって気硬性が高くなっていくという漆喰の性質も大きく影響していますが、押し入れやクローゼットの中は塗り壁自体を避けたほうが良いでしょう。
まとめ
最後までお付き合いいただきありがとうございました(^▽^)/
私自身、漆喰についてあまりピンと来ていなかったのですが、実は事務所の壁が漆喰で塗ってありました!
ウイルス対策に有効的なようなので、たくさん人が集まるような場所や、今の時期にとても適していると思いました。
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