「プロ解説!」屋根のカバー工法って何??必要なこと??
こんにちは。
今回のテーマは「屋根 カバー工法」です。みなさんはカバー工法って聞いたことがありますか?
普段の日常生活では全く出てこない言葉なので知らなくても何もおかしくはありません。DIYが好きな人や土木関係の仕事をしてる方は知ってると思います。
ですのでわからない人向けにカバー工法とは何か説明していきたいと思います。
目次
カバー工法って何?
屋根のカバー工法とは、古い屋根のうえに軽い屋根を張ってかぶせる工事方法のことです。
古い屋根をはがして処分する手間と費用がかからないので、工事費用と工事期間を抑えることができます。一般住宅ではコロニアル(スレート)のうえに金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはエスジーエル鋼板)をかぶせる工事がよくおこなわれています。
屋根のカバー工法は古い屋根下地を再利用する工事です。そのため、屋根下地が傷んでいる屋根はカバー工法がおこなえません。たとえばトタンの金属屋根は屋根下地が傷んでいることが多く、カバー工法をおこなうことはほとんどありません。
また、耐震性能に不安が残る屋根にカバー工法をおこなうこともおすすめしません。
たとえば旧耐震基準の建物(築40年以上経過した屋根)にカバー工法はおすすめしません。
カバー工法のメリット・デメリット
メリット
リフォーム費用が安い
カバー工法は、元々あった屋根の上に新しい屋根材を重ねるだけの工事のため、古い屋根材を撤去するための人件費・廃材処分費が発生しません。
そのため、リフォーム全体にかかる費用が安価です。
工期が短い
葺き替え工事の場合は、古い屋根を取り外す際に養生をする必要がありますが、カバー工法では省略することができます。
通常、葺き替えリフォームの場合は工事期間が7~30日程度かかりますが、カバー工法であれば約5~14日でリフォームが完了します。
騒音や埃のトラブルが少ない
屋根を交換する際には、騒音やホコリに悩まされることが多く、近所とトラブルになってしまうケースがあります。
カバー工法であれば、工事中に騒々しい音やチリが発生するリスクが少ない上、工期が短いので、周囲の方に迷惑をあまりかけずに済むでしょう。
アスベストにも対応できる
2004年以前、屋根のスレート材料には、がんの原因になりやすいアスベスト(石綿)が使用されていました。現在では製造・販売・使用共に中止になっていますが、まだ屋根にアスベスト材が含まれている建物も残っています。
しかし、アスベストの処分費用は高額で、また解体時にアスベストが近所に飛散しないよう対策しなくてはなりません。
カバー工法なら、屋根を壊すことなくリフォームできるため、このようなリスクがありません。
耐熱性・遮音性・防水性が向上する
既存の屋根と新しい屋根の二重構造になるので、断熱性や遮音性防水性がアップします。
特にガルバリウム屋根で雨音が気になっているという方にはおすすめです。
デメリット
耐震性の影響する可能性がある
カバー工法は屋根全体の重量が増えてしまうため、耐震性能が少々低下します。
とは言え、戸建て住宅に多いスレート屋根に、軽量な金属屋根材でカバー工法を行った時の総重量は、約23~26kg/㎡程度です。
昔ながらの住宅で見られる瓦屋根は60kg/㎡位ですから、カバー工法でリフォームした屋根の方が軽いと言えます。基本的に大多数の住宅は問題ありませんが、不安な方はリフォーム会社とよく相談してみると良いでしょう。
瓦屋根にはほぼ対応できない
元々ある屋根の上に、フラットな金属屋根材を固定するのがカバー工法の方式です。
つまり、波型の形状の屋根、厚みがある屋根材の上には、固定することが難しいため、陶器やセメントで作られた日本瓦の屋根は、カバー工法には不向きです。
瓦棒屋根は、カバー工法を施工することは不可能ではありませんが、思い切って葺き替え工事を行うのが効率的と判断されることがほとんどです。
内部に補修ができない場合には施工できない
元々ある屋根の上に、フラットな金属屋根材を固定するのがカバー工法の方式です。
つまり、波型の形状の屋根、厚みがある屋根材の上には、固定することが難しいため、陶器やセメントで作られた日本瓦の屋根は、カバー工法には不向きです。
瓦棒屋根は、カバー工法を施工することは不可能ではありませんが、思い切って葺き替え工事を行うのが効率的と判断されることがほとんどです。
修繕費に火災保険をしたい人には不向き
風や雪の影響で破損してしまったり、雨漏りしていたりする場合に、火災保険を利用して屋根を修繕したい方もいらっしゃるでしょう。
この場合、カバー工法では申請できない可能性が高いでしょう。
火災保険の対象になるのは、原則として「雷や強風の被害に遭わなかった場合の状態へ戻す」ための工事です。基本的に、良い屋根材を使用して見映えもきれいにするカバー工法では、保険が適用されないケースが多いです。
特に雨漏りしている場合は、下地が劣化している可能性が高いため、カバー工法ではなく葺き替えを検討するべきでしょう。
カバー工法の耐年数
カバー工法でリフォームした屋根の耐用年数は、だいたい20~25年です。
メンテナンスは葺き替えをした屋根とほぼ同じで、10年に1回程度で充分でしょう。
ただ、一度カバー工法を行った屋根を、3重以上にする例はあまりないため、今後も長く住み続ける建物の場合、20~25年後には屋根を撤去するかもしれないという点についても考慮しておくことも重要です。
信頼できる業者を見つけることが大切
信頼できる屋根業者とは、豊富な知識を持ち、経験や技術を身に付けている方のことをいいます。みなさまのご希望をきちんとヒアリングし、満足していただけるような工事内容を提案してくれる業者を探す必要があります。
また、屋根工事は同じ屋根材を使用していても、技術者によって仕上がりが変わっていきますので、豊富な知識や経験のもつ業者を正しく選ぶことが大切です。
周りには屋根修理業者を探せる場面がたくさん存在していますが、知識のない状態で金額や知名度を頼りに選んでしまいますと、優れている業者に見てもらうことができなかったりします。
見積りや口コミ、屋根工事をしたことがある知り合いを頼りに、自分に合ったよりよい業者を見つけましょう。
まとめ
今回は、「屋根 カバー工法」についてご紹介してきました。
カバー工法にもメリット・デメリットがありますのでしっかりと考えてから施工を依頼するようにしましょう!