【結論】屋根の重ね葺をやるべき理由
屋根のカバー工法(重ね葺)とは何か、費用相場、メリット・デメリットを知っていますか?重ね葺について詳しくご紹介します。
目次
重ね葺とは
カバー工法(重ね葺)は、既存の屋根を撤去せずに、上に防水シートと新しい屋根材をかぶせる工法のこと。屋根のリフォーム工事のことです。平板の屋根材の上からなら施工することができます。屋根を剥がす手間がかからないので短期的に、低コストでリフォームすることができます。
重ね葺のメリット・デメリット
重ね葺のメリット
費用の安さ
重ね葺は、既存の屋根を撤去する必要はありません。元々ある屋根の上に新しい屋根材を重ねる工事なので、撤去費用はかかりません。そのためリフォームにかかる費用が安価なのです。
工事にかかる時間の短さ
重ね葺は、既存の屋根を撤去する必要がないので撤去にかかる時間はかかりません。葺き替えリフォームの場合は、工事期間が7日~30日程度はかかります。重ね葺では5日~14日程度でリフォームできるのです。
周囲とのトラブルの少なさ
屋根を交換する際は、騒音やホコリなどによって周囲の方とトラブルになってしまうケースがあります。重ね葺では、工事中に騒音やホコリが舞うリスクが少なく、工期が短いため周囲にあまり迷惑をかけずに済むのです。
断熱性・遮音性・防水性が向上する
既存の屋根の上に新しい屋根をかぶせる形になるので二重構造になります。そのため断熱性・遮音性・防水性が向上します。
アスベストにも対応可能
以前までは、屋根のスレート材料にはガンの原因になるとされるアスベストが使用されていました。アスベストの屋根を撤去となると価格が高額になるのですが、重ね葺では撤去の必要がなくリフォームができるのです。
重ね葺のデメリット
瓦屋根への対応は難しい
既存の屋根の上にフラットな金属屋根を固定するため瓦屋根の上に固定するのは難しいのです。重ね葺は、波型の形状の屋根、厚みがある屋根には不向きです。
内部補修が必要な屋根には施工不可
屋根の内部や、下地が劣化してしまっている場合は上に新しい屋根をかぶせるだけでは危険です。まずは内部、下地の補修をしてもらいましょう。また下地が腐食してしまっている場合は新しい屋根を固定する釘が打つことができず、葺き替え工事になるということもあります。
耐震性の低下
重ね葺は屋根全体の重量が増加するため耐震性能が多少低下してしまいます。基本的に大多数の住宅には問題ないとされていますが、不安の方は業者に相談してみることをお勧めします。
このように重ね葺にもメリットとデメリットがあるのであなたの屋根の状況に応じてどのような工事にするのか判断することをお勧めします。わからないことがある場合は業者さんに相談してみましょう。
重ね葺・葺き替えどちらがいいの?
葺き替えは古い屋根を剥がし新しい野地板を張り替えて耐久性の高い防水シートを貼ることで屋根を新しくします。
良い腕の持ち主が品質の良い建材を使うことにより35年以上もの屋根の寿命が期待できるのです。
しかし葺き替え工事は価格が高額です。それに比べ重ね葺は古い屋根を撤去する必要がないため低価格なのです。
金銭的に余裕のある方には葺き替えをお勧めします。
しかしあまりお金をかけたくないという方には屋根の状況にもよりますが、重ね葺でも充分です。決して安くはない工事、そしてマイホームに関わる大事な工事なので業者の方としっかり相談をして決めるのが良いでしょう。
葺き替えが向くケース
・日本瓦など重さや波がある屋根で新しい屋根材を固定するのが難しい場合
・下地が劣化、雨漏りしている場合
・修繕費用に火災保険を使いたい場合
・耐久性を求める場合
・リフォームに充分な予算と時間がある場合
重ね葺の価格相場
価格相場を知らないまま業者にお願いしてしまうと、悪徳業者に騙されてしまう可能性があります。なので前もって知っておくことが大切です。重ね葺の価格相場をご紹介します。
屋根の重ね葺にかかる費用は、作業時に必要となる足場代を含め1㎡あたり8千円〜1万円くらいが相場です。当然、屋根の形状や大きさなどにもより変動しますが、大体合計60万円〜250万円くらいと考えておくといいでしょう。
工事内容の内訳
新しい屋根材の施工
1㎡あたり5,000~11,000円
*低価格のものは7,000円以内
金具取り付け・軒・ケラバ・雪止めなど
1㎡あたり3,000~11,000円
コンパネ・野地板など
これは、下地が劣化している場合に必要になります。
1㎡あたり1,500~2,500円
防水シート
1㎡あたり500~1,500円
足場費用
1㎡あたり600~1,500円
工事管理費・諸経費
業者により「一日いくら」、「工事費の何%」など計算の仕方が異なります。業者に聞いてみることをお勧めします。
重ね葺の耐用年数
重ね葺でリフォームした屋根の耐用年数は、20年〜25年くらいです。
メンテナンスは葺き替えをした屋根と同じで10年に一度くらいで良いでしょう。
一度重ね葺を行った屋根をまたその上から重ね葺し、三重になる例はあまりないため次は屋根の撤去を頭に入れておくことも重要です。
工事品質の優れた業者を見つけよう
リフォーム工事会社の多くは外注で成り立っています。重ね葺工事を実際に行うのは板金工事会社です。
今や、ネットでリフォーム会社の実績などを見ることができるので参考にしてみると良いでしょう。
いくら価格が安かろうと工事品質が低いと意味がないのです。
工事品質の優れた職人を抱える板金工事会社と巡り会えるかが重ね葺工事を行う際に最も重要なポイントなのです。
まとめ
ここまで重ね葺についてご紹介してきましたが概要はご理解いただけたでしょうか。
重ね葺は野地板の劣化が進むと施工できなくなります。そのため重ね葺をご検討する際は、劣化が進む前の早い段階での工事を行うようにしましょう。
また重ね葺を行う際は、防水シートを新たに張ります。防水シートは様々な種類がありそれぞれ耐久性や価格などが異なります。
最終的には防水シートが雨漏りを防ぐため、高品質そして使用する屋根により適した商品を選ぶようにしてください。
是非とも失敗のない屋根のリフォーム工事を!!