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「プロ解説」家の壁が白い粉まみれ?チョーキング現象って何?

外壁・屋根塗装・サイディング

まず初めに「チョーキング現象とは?」って思う方もいるかと思います。まず普段使いしない言葉なので知っていなくても仕方はないと思います。

ですので、簡単にチョーキング現象について説明していきましょう。

 

目次

チョーキング現象とは?

外壁塗装が経年劣化によって起こってしまう劣化現象の一つになります。症状としては触れると白い粉のような物が手に付着しますので非常にわかりやすいです。

これは外壁塗装の代表的な劣化現象の一つでチョーキング現象(白亜化現象)と言います。

チョーキング現象はある程度劣化した外壁であれば塗装に樹脂塗料を使っている限りはほとんどの場合に起こる現象なので、外壁の塗り替えを行う良い目安と言われています。

外壁の色に応じてチョーキング現象で手につく色は変わりますので、当然、茶色の壁がチョーキング現象を起こしている場合は、手に茶色の粉がつきます。

チョーキング現象が起こったという事は、塗膜が劣化してしまっているので、

そろそろ外壁を再塗装しなければならないという目安として考えましょう。

 

チョーキング現象起こる仕組み

チョーキング現象が起こるとき、外壁に塗られた塗料の中ではどのような事が起こっているのか、仕組みを説明します。

外壁や屋根に塗る塗料の成分は、色などをつける「顔料」、外壁や顔料を保護して美観や機能を守る「樹脂(合成樹脂)」、それらがうまく機能したり塗りやすくしたりする「添加剤」の三つで構成されています。

樹脂の種類がアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素といくつか種類が有り、この樹脂を耐久性が高い樹脂にすることで塗装がどれだけ長い時間保てるのかが決まります。

この三つが混ざった塗料にシンナーや水を混ぜて溶かし、外壁や屋根に塗るというのが塗料の基本的な構造です。

さらに無機塗料であれば、無機物を混ぜますし、断熱塗料であれば断熱となる元を混ぜて機能の向上を図ります。

チョーキング現象の原因の一つである顔料は、最初から塗料のようにどろどろの物体ではなく、上記写真のような粉の物質で、そこに水を混ぜて絵の具に使って画を描くのに使います。外壁塗装用の塗料の場合は水の他に樹脂と添加剤を混ぜるのです。

外壁に塗装された塗料は合成樹脂によって塗膜(塗装膜)という膜を形成し、塗った面を保護します。

しかし、毎日紫外線が当たったり、雨、風などが当たったりすることでこの塗膜を保護していた合成樹脂は徐々に分解、劣化していきます。

アクリル樹脂よりも、フッ素樹脂の方が樹脂で出来た保護膜が紫外線などに強いので分解されるまでの期間が長く、寿命が長いということになります。

保護膜である樹脂や、塗膜として安定させてくれていた添加剤がある程度分解してしまった塗装面は、顔料がむき出しになってしまいます。

この顔料も劣化して、粉に戻ってしまい、表面で粉化した状態がチョーキング現象となります。

 

チョーキング現象が起こってしまった時の対策

 

チョーキング現象のセルフチェック方法

チョーキング現象が起きている外壁は、触った時に白い粉がつきます。

太陽がよく当たる外壁を指でなぞってみて、白い粉がつくなら塗膜表面に劣化が起きていると判断できます。

指に白い粉がつくだけでなく、外壁自体が退色していたり、粉状のものが飛んでいたりしたら著しく劣化が進んでいる証拠です。

モルタル外壁や窯業サイディング外壁などは、劣化した際にチョーキング現象が起こりやすい素材のため状態を把握しやすいですが、外壁の種類によってはチョーキングが起きないものもあります。また、塗膜表面の色によって、白い粉ではなく、茶色や黒色の粉がつく場合もあるので、判断しにくい場合は専門の業者に調べてもらいましょう。

 

チョーキングを起こした外壁を補修するには?

 

洗浄作業

まずはチョーキングが起きている外壁を高圧洗浄で洗い流していきます。

洗浄作業は簡単なように見えますが、丁寧に作業を行わないと塗料がつきにくくなったり、チョーキングを再び引き起こしやすくなったりするため注意が必要です。

さらに、高圧洗浄の圧力調整を間違えた場合、外壁自体に負担をかけることもあります。白い粉が出ているからといって、自分で洗い流したり、ブラシでゴシゴシとこすって落とそうとしたりするのは避けましょう。

 

下塗り

高圧洗浄で粉を洗い流した後は、上塗り塗料を密着させるために「プライマー」「シーラー」と呼ばれる下塗り剤を塗っていきます。

外壁にひび割れなどのトラブルが起きている場合は、補修作業も行います。

高圧洗浄での作業や下塗りを怠ると塗膜剥がれやチョーキングの原因になるため、外壁リフォームは下地処理をしっかりと行うことが重要です。

 

上塗り

下地処理が終わったら、上塗り塗料を塗っていきます。

塗料にはシリコン塗料やウレタン塗料、チョーキングが起きにくいラジカル塗料などたくさんの種類があります。

それぞれ耐用年数や性能が異なるため、外壁の種類や既存の塗装状態、雨が多い、日差しが強く当たるなど建物がさらされる環境を考慮して塗料を選ぶのがポイントです。

塗装は正しい塗料選びや塗装技術が必要になるため、外壁塗装の実績が多いリフォーム会社に依頼しましょう。

 

チョーキング現象を放置するとどうなる?

では、チョーキング現象の発生を放置しているどうなってしまうのかに触れていきます。チョーキング現象が進むと、外壁は紫外線や雨風の影響をさらに受けやすくなってしまいます。

外壁がダメージを受けた場合、剥がれや浮きにつながり、外壁材そのものにも傷みが発生してしまいます。

外壁のメンテナンスは、被害が大きくなる前に補修することが大事なのです。

 

防水機能の低下

チョーキング現象が起きている場合には、既に防水効果が切れてしまっているサイン。

防水効果が切れてしまうと、建物の中に水が侵入してくる恐れがあります。

天井の場合は雨漏りに、外壁からも水が染み入り、雨漏りと同じように外壁材、建物を傷めてしまう原因になります。

そうなってしまうと、外壁や屋根のみならず、雨漏り箇所の全てを修繕する必要が出てきてしまいます。

 

建物の崩壊

チョーキングが出て、雨漏りしてしまった建物を気づかず放置していると、住宅内部に水がどんどん入ってきます。

すると建物内で錆びが出たり、腐食して住宅の骨組みにも被害が及びます。

建物の劣化を早め、最悪の場合は建物が倒壊してしまう危険も出てきます。建物の劣化の状態によっては、雨漏りすら目視で確認できないこともあります。

ですので、外壁のチョーキングを発見したら、早めに専門業者を呼んで住まいの点検をお願いしてください。

 

早い段階で業者を呼ぶのと雨漏りが進んでしまった状態で業者を呼ぶのでは大きな差がでてきます。適した工事内容も変わるので、進行がひどい場合はどうしても高額になってしまうのです。

 

チョーキング現象は建物の劣化症状では初期の段階です。

まだ大きな問題はありませんが、放置してしまうと次の劣化に進んでしまいます。

住宅の劣化はたとえチョーキング現象だったとしても、早期発見、早期修繕をお勧めします。

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